ふたつの夢を形に

ふたつの夢を形に

私が看護師を志したきっかけは、正直に話すとあまり立派なものではありません。当時の私はまだ小学生。五年生の時に、担任の男の先生にこう言われました。『アナタの声はよく通るから、大人になったら声を使った仕事をしたら良い』先生にしてみれば何気無い一言だったのでしょうが、子供だった私の心にはとても大きく響きました。よし、将来は声優さんになろう!そう、思い立ちました。今思えば声を使った仕事は他にもたくさんあったのですが、その時はテレビアニメが好きだったこともあり、声優を夢みるようになったのでした。
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そして、早速母親に相談しました。声優になるにはどうすれば良いの?母親の答えはこうでした。『大きくなったら、まず自分でお金を稼いで、声優さんになれる学校に通いなさい』では、その学費を稼ぐ為の方法には何があるのか?就職出来る可能性が高く、高収入で、転職もしやすい、、、そうだ、看護師だ!ここで私は、一旦看護師免許を取ることに決めたのです。元々、母親が看護師免許を持っていたのも大きな決め手でした。そして、ここから私の夢が始まりました。中学校では毎回の定期試験に真剣に取り組み、生徒会活動や部活動も頑張り、内申点を上げて地元で一番偏差値の高い公立高校に合格しました。高校でも真面目に勉学に励み、看護師を養成する専門学校に進み、ここでもまた実習や度重なる試験に追われながら、看護師の国家試験に合格したのです。ここまできてようやく、夢への道筋が見えてきた気がしました。

 

そしてここが看護師である一番の強みなのですが、就職は難なく決まり、私の長い看護師生活が始まったのです。とはいえ、就職してからある程度一人前に育つまでが最も大変でした。声優への夢を忘れてしまうぐらい、必死で勤務する毎日でした。そんな日々を送りながら看護師として働き始めて、約五年後。

なぜ自分が看護師を志したのか少しずつ思い出すようになり、このままじゃいけない、子供の頃から夢みてきたことに挑戦したい、失敗しても良い、何でもやってみないと分からない!と、思い切って働き続けてきた職場を離れ、声を使った仕事を目指す養成所に通うことに決めたのです。

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基本的に養成所は都会にしかありません。田舎に住んでいた私は、電車で片道二時間の距離を通うことになりました。週に数回でしたが、今までのように夜勤を含めた勤務体制では働くことが出来ず、パートタイマーで働ける職場に変わり、養成所に通うことにしました。それから約二年後、なんと、声優ではありませんが声を使った仕事を頂ける機会に恵まれたのです!子供の頃からの夢が叶った瞬間でした。そしてもちろん、看護師の仕事も平行して続けました。今はもう声の仕事は離れていますが、看護師の仕事には就いています。長くなりましたが、以上が私が看護師を志した話です。ナイチンゲールのような感動的な話ではありませんが、山あり谷あり今日まで駆け抜けてきた日々を愛しいと感じている自分がいます。